ヤタガラスのお気楽闘病記10 ドトールの怪2

この時の私の体調はというと、同フロアの談話室までの範囲なら看護師の付き添いなしで一人で歩いてよいと言われていたほどよかった。談話室にはコーヒーの自販機があり、このコーヒーを飲みに行くのが唯一の楽しみだった。しかし、ドトールに行きたい理由はコーヒーではなくWi-Fi を利用したいためだとじっくり説明してようやく理解を得た。

しかし1階のドトールまでとなると一人にはできないと、ご親切にも看護師さんが一人付き添ってくれるという。おいおい何だかよい方向に時間が回り出したぞ。帰りはこれで呼んでくれれば迎えに行きますとピッチを渡してくれた。懐かしい。携帯電話が普及する前一時的に使ったことがあるあのピッチだ。病院ではまだ使われているんだ。しかしなかなか融通の利いた手配ではないか。この病院の評判はあまりよくなかったはずだけど。

何故そんなにまでしてWi-Fi を使いたいのかを付き添いの看護師さんと話しながらエレベータ-を出て1階のドトールへ向かう。その日は土曜日で院内はスタッフも少なめ、廊下に出ている人も少なかった。ドトールはいつもより開店時間が遅く午後からだったので、お客さんは一人もおらず、店員がまだ準備をしているところだった。

コーヒーをひとつと言い掛けて、その前に、Free Wi-Fi が出来ますよねと尋ねる。すると、その店員は「わかりません」と言う。「うん?」この人が知らないだけだろうと思い、店内を見回して、よくある使い方の案内書を探してみるが見当たらない。コンセントを探したが近くに一つしかない。様子がおかしい。これ以上、その店員に聞いても無駄と思い一旦部屋に戻る。

スマホで検索するとWi-Fi- 可能と確かに書いてある。本部に電話してみたが、土日は休日でかからない。仕方なく、登戸駅の下にあるドトールに電話してみたところ、こちらの店では出来ることがわかった。ということは、店によって出来るところと出来ないところがあるということだ。私がスマホで見たこの病院1Fのドトールの情報が古く、以前はできた時期があったが、今は出来なくなっていると推測するしかない。

ドトールが1階にあってラッキーと喜んだのも束の間、結局叶わずがっかりしたのだった。

ヤタガラス

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