レーザー治療費が500円!?~眼医者での怪異
「怖いですね~、怖いですね~」と稲川淳二風に始まる怖い話です。半年ほど前から、時々左目が光を浴びた時のように白ぽくなってよく見えないことがあったので、愈々白内障かと疑い、先週、眼科に行って診察を受けた。結果は、網膜裂孔との診断で、網膜に穴が開いており、その穴から水が流れこんで、それで見えにくくなっているとのことだった。
網膜裂孔は加齢によりよく起こることで、放置すると網膜剥離になる危険性があるので、レーザー治療をしましょうと予約を取ってくれた。今年、体のあちこちで既に3回も手術を受けており、4回目ということで少しげんなりしながらも、こうなったら徹底的にあちこち治してやろうという気持ちにもなっていた。
手術当日、覚悟して出向くと、検査は済んでいるので、瞳孔を開く目薬をして手術を待つだけだった。ところが、膨大な患者数をほこる評判の病院らしくいくら待っても順番が回ってこない。一時間半ほど待ってイライラし始めた頃ようやく、処置室に呼ばれた。麻酔の目薬をさして、レーザー照射が始まった。
暫くして、20回近くレーザーを照射していた先生の手が止まり、こちらに移動してくださいと、隣の検査機を指さす。暫く眼球をチェックしていた先生が「レーザー治療は止めます!」と言うではないか。どういうことかわからなかった。もう、20回近くもレーザーを照射したはずなのに今更止めますってどういうこと?
説明によると、裂孔の周りを焼いてくっつけようと思ってレーザー照射をしたが、思いのほかその裏の部分にある水分が多くてくっつかない。無理にくっつけようとするならもっと広い範囲でやることになってしまうので、一旦中止するという。目の前で10人以上の人が入れ代わり立ち代わりレーザー室を出入りして、みんなうまくできて帰っているのに私だけ何で!
先生も悪気があるわけではないので文句を言うわけにもいかないが、当初の診たてが少し違っていたのは事実であろう。で、同じ病院内の網膜剥離専門の先生に再度検査してもらい、経過観察になるか、網膜剥離の手術をするか判断を待つということになった。
網膜裂孔も網膜剥離の一部と言えるが、レーザー治療は外来でも処置可能だ。しかし、網膜剥離の本格的な手術になると1~2週間の入院が必要だ。混んでいるので、とれた予約は1月の末ということになった。今年、4回目の手術を覚悟してきたけど結局は延期ということになり、拍子抜けした。
一週間前の検査でレーザー手術が決まった時の説明で、治療費は50000円弱になると聞いていた。精算の時、このような場合、治療費はどうなるのだろうと思いきや、「560円です!」「レーザー照射はしたが、所期の目的は達成していない、治療が実現できていないのでレーザー代はいただきません」とのこと。
50000円が500円!とまあ、こんなオチでした。ある眼医者での本当にあった年末の怪異でした。チャンチャン!
(八咫烏)
網膜剥離はこわいです。数年前につれあいが外来で、どちらの眼か忘れたけど、少しだけはがれているといわれ、その日の午後にレーザーの治療を受けました。幸いにもうまくいって、1度だけで終わりました。
治療代は確か2万円を切るくらいでした。
滋賀賀支局長 田中和子
今のところ、メガネ使用で両目とも1.2の視力は確保されているので、経過観察ということになるのかどうか。レーザーで簡単に手術できればよかったのですが、それができないということになったので、来月末に再検査します。
専門医の再検査でも経過観察になるのか、それとも、将来のことを考慮して網膜剥離の手術になるのか、いずれにせよ、来月末の検査待ちです。長期の入院はしたくないので迷うところです。