ぐうたらOL 不動産オーナーへの道⑰

ぐうたらOLついに指が震える
 やっと売買契約、銀行融資がおり、頭金を払う日がやってきました。昨今、不動産投資への融資は非常に厳しくなっており、頭金はかなり出さないといけませんでした。ラッキーだったのは、会社の持ち株がかなり高騰しており、最高のタイミングで売却できたことです。それらを元手に頭金を払うため、銀行へ立ち寄りました。

 口座がある銀行が会社の近くにあったので、お昼休みを利用して振り込みに行きました。
 その銀行は信託銀行で、中に入ったことはありませんでした。外には「退職金は〇〇運用を」「外貨預金今なら金利は〇%」といったような広告が貼ってあるので、いわゆる銀行の通常窓口ではないのだろうと思いましたが、入り口がそこしかなかったので入りました。

 「いらっしゃいませ、お客様・・・ご用件は?」

 「えっと、振り込みをしたいのですが」

 「おいくらほどでしょうか?」
 
 「〇百万くらいです」

 「あっ、左様ですか!こちらで少々お待ちください」

 その日は夏の暑い日で、最近オフィスがカジュアルな服装がOKになったこともあり、私はTシャツとGパンでした。PCを持ち運ぶ必要があるためリュックを使っているので、銀行にもそのままのスタイルで行きました。

 ええ、わかりますよ。銀行員さんの反応。

 この子何しに来た?ATMはあっちぞ。

 決して失礼な態度を取られたわけではないですが、振込額を言った時の明らかな動揺。ちょっと面白かったです。そんなわけで椅子に座って銀行員さんを待ち、振込用紙をいただきました。

 その時、ピルムの手は初めて震えました。

 不動産の購入額、融資額のほうがよっぽど大きいのですが、やはり現金となると直で口座からなくなってしまうわけで、改めて自分がこれから飛び込む世界に恐怖を感じました。
 何度も何度も金額と振込先を確認し、なんとか記入。銀行員さんへお渡ししました。
 処理が終わった銀行員さんが戻ってきて一言。

「不動産購入されたんですね。」

振込先名で分かったんですね(笑)

 さぁ、これでもうすべての処理は終わりです。
 不動産オーナーとなる日はもうすぐです。

~つづく~

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