こうちゃんの想い出 36 ~ ウェルシュ・コーギー・ペンブロークについて

コーギーにはどのような特徴があるのか勉強して覚えたことと、実際はどうだったのかについて経験談を少しお伝えします。少しでもコーギーを愛し育てておられる方の参考になれば幸いです。

犬種
いわゆるコーギーには二つの犬種があり、尻尾のないタイプのウェルシュ・コーギー・ペンブロークと、尻尾のあるタイプのウェルシュ・コーギー・カーディガンです。どちらも先祖は北方スピッツ系です。

外観
体高は約25cm~30cm、体重は牡:10-12kg 牝:9-11kgです。胴長短足の体型は牛など家畜動物の足元をすり抜け、蹴られないよう踵に噛みつき誘導する作業に有効でした。
被毛は風雨にさらされるような厳しい気候にも耐えうる短毛のダブルコートです。 被毛カラーはレッド、フォーン、セーブル、ブラックアンドタンで頭部、胸部、腹部から脚にかけて入る白斑の有無は問いません。

体高が低いので小型愛玩犬のように感じてしまいますが、頑丈な体つきをしているので抱き上げると見た目より重く感じます。 顔立ちはキツネのような容貌で、欧米でもフォクシーと形容されています。

尾は断尾が慣例でしたが、もともと短い個体も存在します。断尾の理由に牛など家畜に踏まれて尾を骨折したりするのを防ぐためと言われていますが、カーディガンは同じ牧畜犬なのに断尾をしません。黒やブリンドル主体のカーディガンに対し、ペンブロークの毛色はレッド主体で配色もシルエットもキツネによく似ていることから、誤認を防ぐ効果もあったと考えられます。

ペンプロークは状況判断能力に優れ知能が高いとされる犬種にノミネートされており、しつけやトレーニングも入りやすい犬種です。日本で実際に牧畜に従事する犬はごくまれで、ほとんどが家庭犬として飼育されており陽気で友好的な個体が多いです。 脚は短いですが走るスピードも速く、スタミナ豊富で運動することが大好きです。彼らのために充分な時間を割けない人は幸せには出来ませんので飼育をしないでほしいです。

コーギーのライフステージ
◇子犬期… 幼い頃は耳が折れていることもありますが、生後3ヶ月頃からピンと立つようになります。 こうちゃんがうちに来たときは既に3ヶ月を少し過ぎていて耳は立っていました。

体高が低く地面に顔が近いことから、拾い食いなどに注意です。こうちゃんもよく見ていないと拾い食いをしようとしました。 まだ骨格や筋肉が未発達なうちは、過度の運動や高いところから飛び降りるようなことは避けたほうがいいです。

◇成犬期…心身共に充実して運動量も格段に増えてきます。 こうちゃんは、楽しさからストップをかけないといつまでも遊ぼうとしました。散歩や遊びの切り上げ時も大事です。

訓練性能の高さを生かして競技会などに参加するのも楽しいです。こうちゃんは協議会までは参加しませんでしたが、設備のある所で簡単なアジリティをやったことがあります。とても上手でした。 

◇高齢期代謝が落ちてくるため、太り易くなりがちです。体重の増加には注意したほうがよいです。 加齢とともに内臓を支える靭帯が衰え、一度に大量の食餌を摂取すると胃捻転を起こすこともあるそうです。フードには気を使い無添加で良質なシニア用を与えました。

老齢期になると若い頃のような激しい運動はできなくなりますが筋力維持のため、無理のない程度の距離は歩かせるようにしました。こうちゃんは16歳を過ぎるまで比較的健康で、亡くなる1カ月前までは普通に歩いていました。脚が弱ってきたらそれほど歩かなくても外へ出て顔見知りの人や犬に会うだけでも良い気分転換になると思います。

2.ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのお手入れ

普段のお手入れはブラッシングと全身をくまなく触って異常がないかのチェックをします。 目、歯石、耳垢の状態も定期的に見てあげるといいですね。 換毛期には大量の毛が抜けます。近隣の迷惑とならないよう、ブラッシングの際は毛が飛ばないよう配慮してください。

入浴は雨上がりの散歩でひどく汚れたり、被毛の手触りが悪くなる、臭うなどの様子が見られたらにしましょう。  過度の入浴は皮脂を取りすぎるため、毛がパサついたり少々の雨でも地肌まで濡れてしまうことがあるので要注意。

降雪地帯では溶けた融雪剤がパッドの間に染み込んで炎症を起こすことがあります。また毛づくろいで舐めてしまうと胃腸炎の心配もあります。 坂道、急カーブ、橋の上など凍結で滑りやすい場所に融雪剤が撒かれますので、散歩コースにそのような箇所があるなら、注意が必要です。 融雪剤は白くて見えにくいので、雪の日は帰宅後に足や腹部など濡れた箇所を洗い流しておくと安心です。

3.ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのしつけ・健康

コーギーは牧畜に従事していたことから走るものに対して反応しやすく、ジョギングをする人や自転車バイクなどに興奮することがあります。安全上の観点から興奮しやすいタイプの子には、ストップのコマンドで静止させることを普段から教えておきましょう。

静止も聞かず走るものを追いかけ、足元を噛むようなしぐさが見られたら良くない兆候です。早めに対処し、どうしてもうまくいかない場合は出張訓練などプロの手を借りることも考えたほうがよいです。 普段の生活では主従関係を明確にし、犬に支配されないようにすることが大事です。

コーギーの健康

体型的に背骨に負担がかかるため、背骨や腰を痛めないよう体重管理と筋肉の維持を怠らないようにしてください。脚が短いため、ジャンプした際の着地の衝撃が大きく背骨や腰を痛めやすいので、ディスクキャッチ競技を目的とするならコーギーは不向きです。 階段の上り下りも日常的なものとなると負担が蓄積します。少ない段数でも手を添えるなどの介助をして負担を軽減させたほうがよいです。 可能であればスロープを設置してあげましょう。

食いしん坊なので太りやすく、胴回りに贅肉がつくとお腹が地面に着いて歩行が困難になり、過重から足先が変形してしまいます。 36kg以上に太った実例もあり、ここまでくると這って移動することすらままならなくなります。 肥満は体質的なものもあるとはいえ、犬が勝手にフードを食べるわけではないので、飼い主の責任は重大です。

遺伝性の疾患として股関節形成不全、変性性脊髄症があります。 股関節形成不全は検査機関もあり、信頼できるブリーダーであれば両親や血縁の犬たちのスコアを把握して繁殖を行いますので、そのような犬舎から生まれた犬なら発症の可能性は低いと考えて良いでしょう。 後天的な原因としては、幼犬期における過度の運動が挙げられます。

変性性脊髄症は高齢期に発症します。腰がぐらつき、足がもつれるような歩き方になります。 痛みは伴わないので体に触れても嫌がるそぶりは見せませんが、症状が進むと歩行が困難になりますので、犬用の車椅子や介助用品が必要となります。いずれもおかしな動作が見受けられたら、早めに診察を受けてください。

 

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